鶏卵アレルギー発症予防に関する提言
日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会より提言がなされました。
提言の骨子は以下の通りです。
- アトピー性皮膚炎に罹患した乳児では、鶏卵の摂取が遅いほど鶏卵アレルギーが発症するリスクが高まるというエビデンスの基づき、鶏卵アレルギー発症予防を目的として、医師の管理のもと、生後6か月から鶏卵の微量摂取を開始することを推奨する。
- 鶏卵の摂取を開始する前に、アトピー性皮膚炎を寛解させることが望ましい。
- 乳児期早期発症のアトピー性皮膚炎、特に重症例では、この提言を実行するにあたりアレルギー専門医(小児科、皮膚科)や乳児期のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの管理に精通している医師による診療を受けることを推奨する。
- 鶏卵の感作のみを理由とした安易な鶏卵除去を指導することは推奨されない。
- 本提言は発症予防のためであり、すでに鶏卵アレルギーの発症が疑われる乳児に安易に鶏卵摂取を促すことはきわめて危険であるため、「食物アレルギー診療ガイドライン2016」に準拠した対応をする。
以上、かなり難しい文言が並んでいますが、要するに6か月未満のアトピー性皮膚炎患者さんは、アレルギー専門医のもとでできるだけ早く湿疹のコントロールを行い、鶏卵アレルギー予防のために離乳食の初期から微量から鶏卵摂取を開始しましょう! という提言です。
紫外線対策をしっかり
紫外線対策は美白が目的ではなく生涯にわたって健康な肌を保つための小児期から行うべき大切な生活習慣と考えてください。
年間でみると4月から9月に1年間の約70%の紫外線が、1日でみると正午をはさむ前後2時間(10時~14時)の間に約60%の紫外線が地表に降り注いでいます。夏至の頃に正午前後20分程度日光に当たるだけで日焼けが始まります。
●子どもの紫外線対策としては、以下のようなことが挙げられます。
①紫外線の強い時間帯での野外活動を避ける。
②日陰を利用する。
③日傘を使う。帽子をかぶる。
④袖や襟のついた衣服で皮膚を覆う。
⑤日焼け止めを使う。
●学校(園)生活で用いるのに適したサンスクリーン剤の条件は
①SPF15以上でPA++~PA+++の表示があるもの
②無香料および無着色の表示のあるもの
③プールでは耐水性かウォータープルーフの表示があるもの
の使用が推奨されます。
今、何の病気が流行しているか!
川崎市が市民の皆様向けに色々な感染症の情報を提供しているサイトがあります。
今はゴールデンウイークに海外へ渡航される方に対して海外で気をつけたい感染症を簡単にまとめたコラムを記載しております。それ以外にも感染症の流行状況をリアルタイムで載せてありますので是非ご覧ください。
「川崎市感染症情報発信システム」サイトはこちら
蚊に刺されてうつる感染症
小児科ページの主な疾患に「蚊に刺されてうつる感染症」を掲載いたしました。
定期予防接種打ち忘れに注意!
定期接種になっている予防接種の中には年齢制限があるものが少なくありません。
特にMRワクチン(麻しん・風しん混合)の2期は年長児の間に接種することになっていますので
対象になっている方は忘れずに年度末(3月31日)までに受けるようにしてください。
BCGや水痘ワクチンも公費で接種できる期限が短いワクチンですので打ち忘れに注意してください。
「視力スクリーニング検査」機器を導入しました
視力低下や屈折異常、斜視が疑われる患者さんの視力検査を行います。
詳しくは乳幼児健診のページをご覧ください。
海外旅行、海外赴任に伴う健康リスクと予防接種
冬休みや夏休みを利用して海外旅行に出かけるご家族も少なくないと思います。短期間であっても発展途上国に出かける場合や長期間滞在(海外赴任や留学など)する場合などは以下のサイト等を利用して現地の医療事情やかかりやすい病気、流行している病気等、実際の生活で気をつける情報などを事前にチェックしておきましょう。
海外で病気になった場合、健康保険が利用できずに支払う医療費が高額になったりしますので現地の医療事情にあった医療保険の準備をしておきましょう。また、現地では日本とおなじ医薬品が入手できるとは限りませんので使い慣れた医薬品がある方は、衛生用品も含めて海外に携帯するとよいと思います。
渡航先によっては受けた方がよい、または受けなければならない予防接種が日本とは違ってきますので時間的な余裕を持って相談するようにしてください。